第1章 アルビノとは…
アルビノ(albino)は、動物学においては、メラニ ンの生合成に係わる遺伝情報の欠損により 先天的に メラニンが欠乏する遺伝子疾患がある個体である。
albino は元はスペイン語ないしポルトガル語で [1] 、 albo(白)の語幹 alb- に in(指小辞)+ o(男性形名 詞語尾) をつけた語である。正確には、疾患それ自 体はアルビニズム (albinism) という [2] 。ヒトの個体の ことも、政治的正しさからは「アルビノ」より「アル ビニズムの人 (people with albinism)」の方が好まし いという主張もある [3] 。アルビニズムの対義語(メラ ニン沈着症)はメラニズム(英語版) である。
この遺伝子疾患に起因する症状は先天性白皮症(せん てんせいはくひしょう)、先天性色素欠乏症、白子 症などの呼称がある。また、この症状を伴う個体のこ とを白化個体、白子(しらこ・しろこ) [注 1] などとも 呼ぶ。さらに、アルビノの個体を生じることは白 化(はくか・はっか)、あるいは白化現象という。
一方、植物学では、光合成色素を合成できない突然変 異個体のことである [4] 。このような個体は独立栄養が 営めないため、種子中の栄養を使い切ってしまった時 点で枯死することになる。