• テキストサイズ

(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第18章 CHERISH YOU


すやすやと眠る
大切な宝物を
ぼんやりと見つめて、

触れるだけのキスをした。

瞳を閉じれば、まるで
昨日の事のように思い出す。

本当は知ってたんだ。

強がりな女の子が
いつだって必死に涙を
堪えていたこと──

貴女が初めて笑ってくれた日
貴女を改めて愛しいと思った。

地獄の底で出会った
この少女から、

私は一体どれだけの幸せを
与えられて来たのだろう。

現世の冷たい風が
窓から吹き込んで
二人の身体をすり抜けて行く。

「……ありがとう」

あの日言えなかった言葉。

短い愛を独り言のように
囁いて、いつまでも貴女を
抱き締めていようと・・・

震えるこの胸に誓った。




【十八ノ章】
CHERISH YOU___終
/ 216ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp