第1章 恋しちゃったんだ
いつもの場所、とは図書室のこと。
誰もいなくて静かで…
あたしの大好きな場所なんだ。
「はぁーー」
大きなため息をついて、考えるのは
やっぱりあの人のこと。
坂田銀八…
現国の教師であり、担任でもある銀八は
自習が大好き…
いや、大好きというか面倒くさいから
そうしてるだけなんだろうけど…
普通の教師とは違う銀八独特の雰囲気に
いつの間にか惹かれてて
気づいた時には銀八のことで頭がいっぱいで
苦しくて仕方なかった。
それに、あたしは人見知りで
銀八と話すことなんて出来なかった。
……………………ぃ、……おぃ…
「おーい」
いけない、あたしいつの間にか寝てたんだ…
「おい、起きろっつーの」
「んっ…?」
うっすら目を開けると目の前に銀八の顔…
銀八の…かお!?
「うわあああ!!」
なんで?なんでいるの?
あたしの頭はパニック寸前だ。
「お前なぁ、ちょっとそれ傷つくんだけど」
「す、すいません。
あの、なんで先生がこんなとこに…」
「それはこっちのセリフですぅー
ったく、自習っつったろーが。
知ってんだぞ、自習にするたんび
さぼりやがって。」
「ごめんなさい…」
「はぁーー、あのなぁ!
お前そういう顔してんじゃねーよ。」
「えっ?ごめんなさい、あたしそんな
変な顔して…」
「そうじゃなくて! あーもうほんとお前は
ダメだわ。お前さ、俺の事好きなんだろ?」
「なっ…!!」