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道化師恐怖症。

第33章 道化師恐怖症。




「ここで生きたいの?」

「当たり前よ!!!だってこの世界は
私をチヤホヤしてくれる!!!
お姫様だってかわいがってくれるもの!!」

「もう誰もアナタの傍にいないのに?」


そうまでしてこの世界に
縋る意味はなに?

もう元には戻らないよ

学校へ行けば、西崎さんは
沢山の人に罵倒され中傷され
酷ければ暴力を受けるだろう

アナタは可愛いから
私が丸井くんに受けたこと以上のことを
されるかもしれない


みんなのストレス発散になるのは
もう免れないのに


「愛されたいと願うアナタは
間違っていなかった」

「そ、そうでしょ?エリナは
間違ってなんていないでしょ!?
誰だって愛されたいじゃない!!!」

「うん。それはきっと皆が思ってること」


西崎さんは希望を持ったように
私を見つめた

なんでそんな顔してるの?

忘れないで

私はアナタの敵だよ


「ただ、方向性を間違えた人に
求める物は与えられない」

「っ!!!」

「もう何も手に入らないのに
ここで生きていくの?」

「わ、わからないじゃない!!!
一度は信じてくれたのよ!!
だから次もきっと、」

「無理だよ」


少しの希望も許さない

西崎さんに小さな光が差すのであれば
それさえ全力で消してあげる

もうなにも妥協しないよ
甘えない

私が撒いた種は、私自身が
摘み取らなきゃいけないでしょ?


「ねぇ、あの時私が言った言葉覚えてる?」

「あの時…?」

「うん。アナタに殺されかけた時」

「!!あれ、は」

「今もあの時も
思うことは同じなんだけどさ」


せめて、立海に来なければ
私の前に現れなければ
西崎さんは幸せになれたかもしれない

その美しさで色んな人を虜にして
自分の城を確実に築いて
それを壊されることはなかった

かも、しれない


せめて、自分の手札かもう無くなって
許しを乞えば
また世界は変わったかもしれないのに

いつまでもいつまでも
みっともなく縋るアナタは


なんて


「可哀想」




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