第5章 長針と短針が溶けて絡まった
「はぁ…もう、嫌」
朝から机に向かって
ため息をつき続けているみぃちゃん
何があったかは想像できるが
ここは聞いてみるかな
「みぃちゃんどったの?」
「蒼…。どうしよう…」
「何が?」
「西崎が今日の朝
幸村くんと登校してたの…!!」
まさかの幸村くん
ここで幸村くん
西崎さんは幸村くん
狙いだったのだろうか
そのためにまず
丸井くんと仁王くんを
手懐けて…みたいな?
そこまで自分に自信あるの?
確かに可愛いけど…
そんな絶世の美女という事はない
彼女には必ず何かが
あるんだろうなぁ
男を虜にする薬でも
持っているのかもしれない
…って、んな訳ないか
非現実的すぎ
とにかく今はみぃちゃんを
慰めなければ
よしよしと頭を撫でるが
あんまり効果はないみたい
会長さんは大変だ
さて、私は結局一日目以外
西崎さんと話してない
なんてつまらない事をしてるんだ自分
でも話しすぎて
警戒されても困るし
ゆっくりじっくりいかないと
台無しにならないように
嗚呼神様仏様
なんて信じてはいないけれど
どうか私に西崎さんと話す
キッカケをください
そして私を楽しませてください
なんて、くだらないね
こんな時だけ馬鹿みたいだ
…まさかのお祈りは
効果があったのかもしれない
4時限目、体育
今日はバトミントン
私の好きなスポーツ
今日は先生が適当に決めた
ペアでラリーを行うというもの
私のペアは…
「如月さん、よろしく」
「うん。よろしくね!西崎さん」
西崎さんキターーーー!
最初の対応とは違って
目線が冷たい
金坂さんと似てきている
そうでなければ
これからのことに期待も
できなくなっちゃう
バトミントンと西崎さんなんて
最高の組み合わせじゃあないか
先生ありがとう
神様ありがとう
とりあえず今だけ
感謝しておきます
さて、頑張ろう
何を?だって?
そんなの色々だよ