第6章 そんなことが嬉しいの?
「みなみ…大丈夫? みなみ…」
……。
「うん…」
頭ふわふわして身体は力入らないけど大丈夫…。
「いっちゃった?」
彼は私の髪を撫でながら問いかける。
「たぶん…」
「多分なの? ひとりエッチとかしないの?」
「したことあるけど、ここまではない…」
「そっか。気持ちよかった?」
「うん…。すごく…」
「可愛い。よしよし」
彼は私の髪をくしゃくしゃってなでなでする。
そして、私の隣に仰向けに寝転ぶ。
手をぎゅっと繋いで。
私もぎゅっと握り返す。
なんか指もふわふわしてる感じで、ぎゅっとするとすごく気持ちいい。
裸の身体にふんわりかかった掛け布団も気持ちいい。
私は彼の肩にもたれかかる。
目を閉じると本当に身体の力が抜けて、ふわふわ浮き上がるような気もするし、深く深く沈んでく気もする。
彼と握った手だけが、私のいる場所を教えてくれる。
でも、私にはその行き先はわからない。