第2章 失恋
男女のこと…
よくわからない
sexのこと?
……。
「だめ…かな?」
ぼうぜんとしてる私に彼が問いかける。
「えと…よくわからなくて…。男女のことって…?」
私は質問する。
ちょっとだけ涙声になっちゃってる。
「うん。こんなふうに一緒に下校したり、デートしたり…。
僕、青春小説を書いてみたいんだけど、女の子に縁がなくてね…」
彼が少し自虐的に笑う。
「藍田くん、好きな人いるんじゃ…」
私は素朴な疑問をぶつける。
「いるんだけど…ね」
彼は少し悲しそうに目を伏せる。
彼もまた私のように失恋したのだろうか。
……。
決めた。
「いいよ」
私の答えに彼は嬉しそうに笑った。