第2章 パーティーの夜
「レン王子」
高級な衣装を着た、恰幅のいい男性が近づいてくる。
たしか王家の古い付き合いがある、貴族だ。
その後ろを歩く女性を見て、私ははっと息を飲んだ。
二重瞼での大きな目、形の良い鼻に愛らしい唇、今まで見たことのないような美人だったからだ。
「本日はおめでとうございます」
二人は揃って笑顔でレンに挨拶する。
「親戚の娘でしてな、ぜひレン王子に会いたいと、楽しみにしておりました」
「レイラと申します。レン王子、お会いできて光栄ですわ」
魅力的な笑みを浮かべ、レンを見る。
「それはありがとうございます。はじめまして。とても美しい方ですね」