第5章 どうして?
「瑠奈は、気づいてないだけだよ。たとえ宏光のことが好きじゃないとしても、絶対好きな人はいるんだよ。」
「私が好きになる人は勝利くんだけだもん。」
「わかった。だから、もう泣かないで。」
「うん。」
「瑠奈ちゃん、そいつ誰?」
後ろから太輔くんの声がした。
「あっ、太輔くん。佐藤勝利くんだよ。昔好きだった人で、また付き合うことになったんだよ。」
「よかったね。(なんだよ、そんなにコイツが好きなのかよ。)」
「勝利くん、行こう。」
私は、そう言って勝利くんの腕に私の腕を絡めた。
「じゃあね、太輔くん。」
そうして、一日は過ぎた。