第4章 久しぶり
その温かさは昔から変わっていない。
「瑠奈ちゃん、その人は?」
宏光くんがちょうど戻ってきた。私は何故か勝利くんから離れてしまった。
「宏光くん、この人は昔付き合っていた佐藤勝利くん。」
「ねー。瑠奈はこの人のこと好きなの?」
勝利くんが聞いてくる。
「ちがうよ。友達だよ。」
「じゃあさ、俺ともう一回付き合ってくれない。俺、瑠奈のこと諦められねー。」
「勝利くん、少し考えさせて。」
「うん。いいよ。」
「瑠奈は・・瑠奈はお前なんかにわたさねー。」
宏光くん、どうしたんだろう。いつもは、瑠奈ちゃんなのに瑠奈って呼んで。お前なんかにわたさねーなんて。
「瑠奈ちゃん、行こう。」