第11章 傘の下の男の子
「そろそろ戻ったほうが良くないアルか?」
「たしかにそうですね!」
がお見舞いへ行って、私達は近くの公園に来ている。二時間くらい立ったはずだから、そろそろ戻ったほうがいいだろう。
「よし、いくぞー」
銀ちゃんはベンチで寝ていたけど、目を覚ましたみたい。
三人で病院へ歩き出す。
なんだか昨日と同じ生ぬるい風が気持ち悪い。
強い風が吹いた時、変な胸騒ぎがした。
「よぅ、また合っちまうとはなぁ」
「?!」
「お前っ…神楽の兄貴の…!」
「っ…」
突然現れた大きなカゲは、見覚えのある傘をさしていて、
そいつを見るなり銀ちゃんは顔をこわばらせ、新八は私をかばうように前へ出た。
「おいおい…おじさんまだなにもしてねぇだろ?なんでそんなに警戒してんだ、楽しくお話でもしましょうや」
あごをあげ大きな態度のそいつは、傘をダルそうに持ち
にっっと笑った。
「お前なんかと話してる暇ねーっての、こっちは要があるんだ」
こいつが一人でここにいる…神威は?
「おいお前、神威はどこアルか?」
銀ちゃんが無視して進んでくれたのに、私はそいつに話かけた。
「団長か?しらねぇな。いまばらばらで探してるからな」
「…」
なんだか嫌な予感がした。
「銀ちゃん…まずいアル…」
「神楽?」
「もしかしたらが…バカ兄貴に捕まってるかもしれないネ…」
「おいおいお嬢ちゃん、そいつぁどーゆーことだ?」
「お前には関係ないアル」
「おまえ、あの時心当たりがあったってことか」
まずい
感付かれてしまった、
男は私達を通り過ぎ、私達は病院へ走った。
「どーゆーことだ」
「実は昨日あいつらにあったネ」
三人で走りながら、昨日のことを話した。