第2章 ~妄想のはじまり~
瑛莉side
-----妄想世界-----
そう……それは、ある日のこと。
私はいつものように身支度をして、ちょうど家を出るとき、不意にインターホンがなった。
もう、この時間は親は仕事でいないから、私が受話器を手に取る。
瑛莉「はい。」
智「あ、瑛莉ちゃん………かな?」
受話器からは、一生自分の名前が呼ばれることなんてないだろうと思っていた人の声が聞こえた。
瑛莉「………そうですけど……あなたは?」
間違えだと、自分が惨めに見えてしまうから、一応誰なのか聞いておく。
智「あれ?わかんない?瑛莉ちゃんならわかると思ってたんだけどなぁ………?」
瑛莉「………………智くんですか?」
智「わかってるじゃん♪」
ホントに?
これは夢?
?「そうだよ。夢に決まってるじゃん。」