第4章 番外編ーよくある事ってこれですか?
「あー…疲れた…」
「流石に疲れたっス…」
「そりゃあ、そうだ」
ベッドに背を預けて天上を見る。
「椿っち、寝ないんスか?」
「寝る…」
黄瀬が目を擦りながら、問い掛けてくる。それを見ていたら自分も欠伸が出てしまい、睡魔が体を襲う。一緒にベッドの蒲団に潜り、就寝。
(今日はいつもより、早く寝てしまいそうだ…)
思考はそこで途切れ、夢の中にゆっくりと身を委ねた。
次の日の朝ー
「ん…あ、れ?」
ベッドから身を起こし、辺りを見渡す。いつもと同じ自分の部屋。違うのは…隣に黄瀬がいる事…って。
「あれ?黄瀬?」
そこには黄色い髪を持った左耳にピアスをした黄瀬がまだ、夢の中なのか寝ていた。おそるおそる、自分の体を見る。ちゃんと胸もあり、スラッとした白い足もある。
(戻った…)
「おい、黄瀬!起きろ」
ユサユサと黄瀬の体を揺らす。うーんと唸りながら、うっすらと目を開ける黄瀬。
「ん?椿っち、おはようっス」
「黄瀬、元に戻ったぞ!」
「わっ、本当っス!…なんか残念っスね」
「こっちは一安心だよ」
こうして入れ替わり事件?は幕を閉じたのだった。