第35章 ジューンブライド
季節は過ぎ6月―。
というか年越しも終わって…
新生活の始まりで。
雨は今日も降り続いていて
あたしは部屋で雅紀とゴロゴロしてた。
「ねぇ……」
そう言いながら布団の中で
あたしの腰に手を回してくる雅紀
『なに?』
「ごめんね?」
『聞き飽きた』
雅紀が言ってる“ごめん”っていうのは
たぶんイベントのこと。
実は私達、世の中のカップルが
カップルらしいイベントをしてるときに
がっつり仕事をしてたんです。
クリスマスは歌番組
年越しはやっぱり紅白
新春のスペシャルテレビとか、
コンサートもやったりしてて…
「ごめん…」
『もう、いいの。
あたしは照明っていう仕事として
全部の仕事で雅紀の姿は見たから…』
そう。もう悔いはないってほど
雅紀…そして嵐さんをみることができた。
「そう?」
『そう。それで幸せだよ?』
なんて言うとふふっと笑って
首に優しくキスしてきた雅紀
うん。幸せだよ。