第10章 ホンネは?
「俺、陸。」
「陸さん、ですね」
「そ。覚えといて」
「はい笑」
拓斗さんってお友達もイケメンなんだね。
類は友を呼ぶ。
ってやつだ。
「始めるよ?」
「うん」
部屋に響くリップ音。
陸さんは優しいキスをしてくれる。
優しくそして意地悪にじらしてくる。
陸さんこういうの馴れてるんだろうな。
拓斗と同じぐらい上手だ。
キスだけでイってしまいそう。
「果奈ちゃんだっけ?」
「はい」
「俺、ヤバいわ笑」
「?なにがですか?笑」
「言っていい?」
「どうぞ笑」
「好きなんだよね、果奈ちゃんのコト」
「え……?」
「本気だぜ?」
「へ…ちょ、ごめん…なさ、んっ」
なに、このキス…
意味がわからない。
「陸さん!」
「なに?」
「なんでいきなり……」
「好きだから」
「…」
「付き合ってよ、俺と」
「私?」
「うん。からだ目当てでもないしナンパみたいな
適当な告白でもない。
本気で好きだから」
ちょうどよかった。
拓斗さんのこと忘れられるいいチャンスだ。
「…いいですよ「果奈!!」
「!?」
「拓斗…」
「拓斗さん…?」
「おい陸!なんの真似だ?!」
拓斗さんが陸さんの胸ぐらを掴む。
「なにって?俺はただ告白しただけだ」
「ふざけんなよ」
「ふざけてんのはそっちだろ」
「なに?」
「果奈ちゃんのこと好きなくせに」
え…?
「グズグス、グズグスしやがって。
こんなことしてたらすぐ取られるぞ。」
「?!」
「これからだっていつ俺みたいな
客が現れるかわからない。
そいつの事、果奈ちゃんが
好きになるかもしれない。
俺だって果奈ちゃんの事は本気だ。
だからお前が前から好きだろうと
譲るつもりも引くつもりもない」
「陸…」
「り、陸さん…勘違いしてるよ?
拓斗さんは私の事、好きじゃない。」
「………」
「拓斗…」
「だから関係ないよ?
私が勝手に好きだっただけ。」
「好き、だった?」
「うん…もぅ…好きじゃない…」