第7章 こくはく
「果奈…そろそろ教えてくれても
いんじゃね?」
「あ…」
「ダメ?」
「…言うから…顔見ないで…」
「わかった」
私は拓斗さんの腰に手を回す。
拓斗さんも私をさっきより
強く抱きしめてくれた。
もう、拓斗さんに嘘付けない。
付かない。付きたくない。
「か、顔、見てない?」
「見えてねぇよ。抱き合ってんだから」
「うん…」
「……」
拓斗さんは私の心の準備が出来るまで
なにも言わずに無言で待っていてくれた。
覚悟をきめよう。
「拓斗さんあのね」
「うん」
「触れあいタイムあるでしょ?」
「うん」
「その時ね……っっ」
ダメだ…。
怖くて涙が溢れてくる。
そんな私の事を感じ取ってくれたのか
拓斗さんが私のことを
後ろからそっと撫でてくれた。
言わなくちゃ。
拓斗さんがこんなに優しくしてくれてる…。
「な、中だしっっ……された……」
「…へ?……………」