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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第12章 才能と思想と失望





「それはお主が身に沁みてわかっておろう?それが答えだ」



エルヴィンの脳裏に父親を殺され、
憲兵に追われていた幼少時の記憶が過った。

敵は巨人だけではないというナナシの言葉に賛同出来るが、
他人事のように人類を軽んじる彼を許せない。

まして、かつて自分に生き方を説いた人物であれば尚更で、
今まで自分が指標としてきたものが崩れていくようだった。



「私に希望を見るな。お主達のように空を飛ぶより
地を這いずっている方が私には向いておるのだ・・・」



呆然とするエルヴィンを尻目に
ナナシはそう言って森の奥へと消えていってしまった。



リヴァイは指示を仰ぐようにエルヴィンを見たが、
何かを考え込むように微動だにしない彼を見て
傍観を決め込むことにした。



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