• テキストサイズ

過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第16章 強行軍の帰還




エルヴィンから開閉扉の故障を告げられた調査兵団の面々は、
大急ぎで帰還の準備に取り掛かった。

非常事態だったので、万全の態勢で壁まで戻るべく
村に設置した補給物資も回収する。

部隊の編成のし直しや、壁まで辿り着いた際どう動くかなどを
班ごとに指示を出したが問題は怪我人だ。

最悪切り捨てるしかないだろうと苦々しい思いで決断する。

悪魔と罵られようが、より多くの命を帰還させることが今後の調査兵団の為だった。






一時間程経った頃、目を覚ましたナナシにナナバが笑顔で声を掛けた。


「あ、おはよう。体調は大丈夫?私はナナバっていうんだ。
エルヴィンからあなたの事を頼まれて・・・・」

「・・・・護衛は不要だ」


素っ気ないナナシの言葉にナナバは可笑しそうに「だろうね」と笑い、
野戦糧食を差し出した。


「美味しくないけど食べな。もうすぐ出発するから
少しでも食べておいた方が良いよ」

「・・・感謝する」


ポリポリと野戦糧食を食べ始めると、テントにミケが現れ
ナナシの姿を確認すると安堵の息を吐いた。


「・・・起きていたか」

「うん、つい今しがたね。そろそろ出発?」


ナナシの代わりにナナバが受け答えをすると、
ミケはこれからのルートなどの説明を始めた。

3日掛かった工程を2日で帰還するらしく、
相当の強行軍と言えるだろう。

単独では一晩で来れた距離でも、大群となれば話が違う。
巨人との遭遇率も上がるだろうし、何かしらのアクシデントが
発生する事は容易に想像がついた。


/ 1001ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp