第7章 九条
引き剥がされて
ちょっと不服そうな顔をしてる
九条さんに私は言った。
「私は…家光さまじゃない…!
本当は影武者なの…今まで隠していて
…ごめんなさい!」
………
………
………
ん…?返事がない…
「知ってるよー」
「へ?」
「あんたが言いたくなさそう
だったから黙ってたー」
「なんだ…そうだったんだ…」
「名前も聞いちゃって知ってるし。
話ってそれだけー?」
九条さんの瞳に急に熱が灯り
私の頭の後ろと腰に手を回し
ぐっと引き寄せながら口づけた。
えぇっ!
「俺も男だからねー。瑠璃…」