第9章 ~12月~
屋上
和也「待ってたよ。6時間も。」
「ええっ!?朝から来るんだったんですか?」
和也「嘘。ハハッ。本気にしちゃって。」
「冗談きつすぎます。」
和也「鍵、閉めてね。邪魔されたくないから。」
二宮先輩は、とても真剣な表情で私に言った。
だから、私も無意識に鍵を閉めた。
和也「じゃ、来て。上で話そ。」
屋上には、もうひとつ上がある。
倉庫みたいなところの屋根。
倉庫みたいなところは、色々な配線やらなんやらが通ってるらしい。
こんなところ、大丈夫なんだろうか?
和也「安心してよ。俺がいる間、なんかあったこと一度もないから。」
顔に出てたのか、二宮先輩にはよく読まれてしまう。
とりあえず、私はそこに登った。