第2章 サプライズバースデー
毒舌ながら、あたしを見つめる表情はすごく優しかった。
その優しい表情がまた、あたしの涙腺を緩くさせる。
「泣き止めっつうのに笑」
そう言って二宮さんがあたしの頭をわしゃわしゃした。
あぁ…………。
さりげなくキュン仕草やらないで……///
そんなことされると、意識しちゃう……。
「ほら、そこイチャつかないの!
ちゃん、ケーキ持ってきたよ!」
相葉さんがワゴンを運んできてあたしの目の前で止めた。
「……うわぁ……こんな、大きなケーキ……
本当にすみません」
松本さんが椅子のエスコートしてくれたので座りながら、やっぱり松本さんはジェントルマンだと感じた。
すると、二宮さんがあたしの分のケーキを取り分けてくれていた。
「あ、二宮さんすみません……」
「ちゃんさ、謝るんじゃなくて、ありがとうって言って?」
「……え?」
「謝るっていうのは、悪いことしたときにする行為でしょ?」
二宮さんが、あたしの前にケーキを置いてそう言った。
「……ありがとう、ございます!」
あたしは5人に心込めてお礼を言った。
すると、5人が微笑んだ。
「それでいいの。」
二宮さんの優しさが身に染みて、また涙が込み上げてきた。
必死に堪えるけど、そんな思いとは裏腹に溢れる。
「ちゃんまた泣いちゃった。てか、泣きすぎ!笑」
相葉さんが笑う。
「…っ相葉さん……」
あたしは泣きながら、からかうなアピールをするとまた5人が笑う。
「ほら、せっかくのケーキだよ?食べて食べて」
「ぁ、はい!」
そして、帰り際のこと。
「今日は本当にありがとうございました。すごく、嬉しかったです!」
「よかった。ちゃんが喜んでくれて俺たちも嬉しいね。」
「うん。それはそうなんだけどさ、なんでちゃんだけ送るのさ?その車、俺たちも乗せてよ~」
「だ~め。ちゃんとのデートは、まだ終わってないの。」
「なに?送るまでがデートだ、的な?笑」
嵐さんの、このやりとりがファンの人たちにはたまらないんだろうな。
なんか、微笑ましく思えた。
「じゃあ、もう仕方ないから俺たちも帰るか」
「そうだね。」
そんなこんなで、メンバーさんはそれぞれに家路についた。
「じゃあ、帰りまーす」