第5章 彼なりの【黒尾鉄朗】
『クロ、ドリンクどーぞ』
黒「おう、さんきゅ」
練習を終え、一息ついているクロにドリンクを差し出す。
クロはそれを受け取ると、ごくり、と喉を鳴らして飲んだ。
『クロ、今日も一緒帰ろうね?』
黒「ああ、当たり前」
"当たり前"その言葉が嬉しくてタオルをギュッと握りしめる
黒「お前、可愛すぎ」
ポンポンと私の頭を撫でながらそっぽを向くクロ
ちょっとだけ見えたクロの頬は、ピンク色に染まっていた
『クロの方が可愛いっ!!』
ほっぺをつんつんとつつくと、クロがくるりと振り向き、私をギュッと抱きしめる
黒「俺そこまでされたら我慢できなくなっちゃうんですけど?」
いつの間にか他の人たちは帰っていて、体育館には私とクロしかいない
黒「…あのさ」
しばらく抱きしめあったまま固まっていると、クロが口を開いた
黒「お前、俺から離れたりすんじゃねーぞ、一生」
黒「俺の隣にいろよ」
クロが私を抱きしめながら呟く
『クロ、それってプロポーズ?』
黒「うっせー言わせんな//」
そう顔を赤くしながら私の手を握ってきた
その日は眠れないほど嬉しかったのを覚えている