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〜Mint Candy Story〜

第33章 -冬シチュ三部作①-(青峰/宮地/木吉)


-宮地清志×先輩-



『すんませんっ‼︎今から向かいます!』



午後7時。
待ち合わせの時間ピッタリに
電話してきて、その一言を告げると、
通話を勝手に終了する後輩…。


きっと今日も
自主練頑張っちゃったんだろうなぁ。


スマホを眺めて
つい1人で笑ってしまう。


先週、久しぶりに
顔を出した秀徳バスケ部。


相変わらず
物騒なことばを使いつつも
人一倍頑張っている
宮地くんの自主練に付き合うと、
宮地くんが家まで送ってくれた。


その時にそっぽ向きながら、
この公園に誘ってくれた宮地くん。


可愛かったなぁ。


「丘の上公園」て名前だけあって、
高台にあるこの公園は、
街の夜景が遠くに見えていて、
いつもより少し空が近い。


公園の入口の自販機で、
あったかい缶コーヒーと
ミネラルウォーターを買ってから、
街が見下ろせるベンチに座って、
宮地くんを待つことにした。


はぁっ…と息を吐くと、
寒さを象徴する白い息が見える。


寒いなぁ…。


でも、好きな人を待っていると、
その寒さも耐えられるって…
そんな発想、ちょっと可愛すぎるかな。


宮地くんの前では、やっぱり先輩だし、
しっかりしなきゃ…って思っちゃう。
可愛いのは…なんか恥ずかしい。


宮地くんのタイプは、
あのみゆみゆだし…
こんな可愛げない年上には、
興味ないよなぁ。


だったらせめて…
頼りがいのある
オトナの先輩でいたい。


「はぁっ…はぁっ…すみれさんっ!」


…っ⁈


静かな公園に響く
大好きな声に振り向くと、
秀徳ジャージ姿の宮地くんがいた。


ココまで走ってきたのだろう。
さすがの宮地くんも息が上がっていた。


「宮地くん、大丈夫⁇
そんな走らなくてもいいのに。」


そんなことだろうと思った。


「ほら、とりあえずお水。はい。」


さっき買ったミネラルウォーターを
宮地くんに渡すと、
宮地くんはゴクゴクと一気に飲んだ。


「ありがとうございます。
すんません…オレが誘ったのに。」


「いいっていいって。
自主練頑張ってたんでしょ?
わたしとの約束より、
練習たくさん頑張りなさい。」


背の高い宮地くんの肩に手を伸ばし、
ポンポンとしながら、わたしが言うと、
宮地くんは申し訳なさそうに、
もう一度謝った。


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