第13章 -親友-(高尾和成)
-bonus side-
〜緑間真太郎〜
明日のラッキーアイテムを手に入れ、
家に戻ると、
まだ高尾のチャリヤカーが
家の前に停まっていた。
まだいたのか…。
まったく…。
いつものジャンケンに高尾が負けて、
高尾がウチまで送るのは当たり前だが、
最近の高尾は家にまであがっていく。
なんでこんなにオレに懐くのか、
あいつの気が知れないが…
お汁粉くらい…
出してやらなくもないのだよ。
「高尾、いい加減帰るのだ…よ?」
そう思いながらも、
そんなことは口には出さず、
部屋のドアを開けると、
「ハハッ♪すみれちゃん、可愛い‼︎
これから、ヨロシクなっ♪」
そう言って、
高尾がすみれに抱きついていた。
……⁈
「うぉっ‼︎真ちゃん⁈」
「お兄ちゃんっ⁈」
2人は慌てて離れた。
「高尾…何をしているのだよ?」
「いや…真ちゃん…オレ…」
「た〜か〜お〜〜〜〜〜〜〜っ‼︎」
「や、あのな、真ちゃん、これには…」
「お、お兄ちゃんっ‼︎」
高尾は言い訳をしようとするし、
さゆりは真っ赤になっていた。
オレは部屋のドアを開けた。
「高尾〜っ‼︎帰るのだよ‼︎」
「真ちゃん‼︎いや、お兄さんっ‼︎」
「誰が”お兄さん”だぁ⁈」
オレはさゆりの手を取り、
高尾から離れた。
「金輪際、オマエはウチに
立ち入り禁止なのだよ‼︎」
「ちょっ…お兄ちゃん⁈
話聞いてってば…!」
「真ちゃん、そりゃないぜ‼︎
真ちゃ〜〜〜〜〜〜んっ‼︎」
高尾の声がこだましていた。
はぁ…近所迷惑なのだよ。
---End---