第62章 夏と野球とバレーボール〈菅原孝支〉
*菅原
それは一年の夏だった。
暑い真夏の空の下で、声をあげながら部員のサポートをする彼女に心を奪われた。
彼女とは黒羽朱鳥のことで。今は違うけど#、1、2年と同じクラスで、三年間野球部のマネージャーをしている。
明るくて、俺から見ても野球が好きだということがわかるぐらい部活に熱心で、いつも楽しそうだった。
そんな黒羽に恋をした俺だけど、その恋をすぐに終わった。
噂で聞いた話だと、黒羽はひとつ上の先輩と付き合っていたらしい。
もちろん野球部で、ピッチャーで、二年なのにレギュラーに入っているほどの実力者。
いかにも黒羽が好きそうな相手だった。