第53章 合宿にて…。〈岩泉一〉
「あ、あの~?」
部屋の前についてそっとドアを開けた。
及「あ、朱鳥ちゃんやっと来た!ほら、入って入って!」
及川先輩はそう言って私を迎えた。
岩「悪いな、こいつのワガママのせいで。」
「い、いえ!大丈夫です。」
と、いうかナイスです及川先輩!!
夜にまた岩泉先輩に会えるなんて幸せ過ぎるもん!
そんな気持ちを押さえながら私はそっと部屋に入った。
そして敷かれている布団の上でみんなで円を画くように座った。
しかも私の隣は岩泉先輩!
岩「で、なんだよなみんな集めて?ミーティングならさっきやったろ?」
及「フフフ、実はねこれから青城バレー部の怪談大会をしようと思うんだ!もうすぐ夏だしね!」
そう言った瞬間静まり返った。
花「は?そんなことするためにみんな集めたのかよ。」
松「ガキかよ及川。」
岩「くだらねー。」
ガッカリしたように言う三年生達。
渡「あー俺はいいッスよ!怪談!」
矢「まぁ、俺もまだ眠くないし。」
そんな及川先輩をフォローするように言う二年生。
岩「おい、渡、矢巾余計なことを……!」
金「俺もいいですよ、」
岩「金田一…お前まで…!」
金田一くんも賛成したと思ったら隣にいた国見くんが立ち上がって
国「すいません、俺…もう眠いんで…。」
と言って自分の布団へ向かった。
及「そういうわけにはいかないよ!国見ちゃん!ってもう寝ちゃったの!!?早っ!!」
及川先輩が国見くんの方を見ると国見くんは既に布団に入って寝息をたてていた。
及「……仕方ないな。じゃあ国見ちゃん抜きでやるよ!」
松「で、結局やるのかよ。」
花「はぁ、なんかめんどくさいな。」
この時、私の心情は複雑なものだった。
岩泉先輩の隣にはいつまでもいたいけど、怪談とか怖いのは大の苦手だから…。