第39章 バレンタインは憂鬱で〈二口堅治〉
堅「なぁ、このチョコ今食べていい?」
「う、うん。」
私が頷くと堅治は箱を開けて
1つ口に入れた。
堅「うん、甘い。」
その一言に私は驚いて聞き直した。
「え!?嘘!!?
ビターチョコ使ったのに!」
堅「だって甘いよ?ほら。」
その瞬間
堅治の口が私の口を塞いた。
そして少し溶けたほろ苦いチョコが
私の口に流れ込んできた。
「っっ!!?いきなり何すんのよ!」
私は慌てて堅治から離れた。
堅「え?いいじゃん、俺らもう付き合ってんだからさ。
ってか甘かったろ?恋の味。」
私は堅治のドヤ顔で言うに
言い返す言葉が出てこなかった。
堅「朱鳥、顔赤いけど?」
「う、うるさい!見ないで!!」
堅治に言われて顔を伏せた。
堅「はいはい、じゃあこれでいいだろ?」
そう言って堅治は私をギュッと抱き締めた。
「っ!堅治バカっ……。」
堅「また、それかよ。」
堅治は笑って私の頭をポンポンと撫でた。
-バレンタインは憂鬱で-
END