第23章 海は恋を叶えてくれた〈岩泉一〉
一「…本当、世話がやけるなお前は…。」
呆れたように少し笑って言う一。
「うぅ…ゴメン…一…。でも…嬉しくて…ありがと………。」
私は流れ出す涙を何度も拭いた。
一「……いいって別に。」
一は私の頭をポンポンと軽く叩いた。それがまた安心できた気がした。
だいぶ落ち着いて私は少しばかり気になっていたことを聞いた。
「ねぇ…なんで一はこんなに私を助けてくれるの?他の子達より気遣って優しいし…幼馴染みだから?」
気のせい?いや私はずっと一を見てた。好きで好きでいつも気が付けば一を見てた。
ちょっとストーカーぽいけど。
一「…まぁ…それもあるが…。」
「?」
一「…好きな奴を守りたいって思うのは普通だろうが…!」
一は少し目線を反らして言った。
「…え…好きな奴って……。」
一「っ…お前のことだって!」
反らした一の目が私の方向いた。一のが少し赤かった。
「………うそ……。」
一「嘘言えるタイミングじゃねーだろが…!!」
「……一…。」
「あ?」
「私も好きっー!!」
私は嬉しさのあまり
一に抱きついた。一瞬足が痛かったけどそんなの気になんなかった。
一「うおっ!?おま…いきなり抱きつくなよ!?」
「だって嬉しいから…!!やっと言えた…一……大好き!!」
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一「おい…そろそろ晩飯の時間だぞ。外で待ってるから着替えて来いよ」
「あ…本当だ……。」
時計を見た一がそう言った。
「…そうだ……ジャージありがとうね。洗って返すよ。」
一から離れて気づいた。
一「いや…べつに良いって。
………それより……」
「ん?」
一「いや……さっきは言いそびれだが…その水着……似合ってる。」
そう言われ
いろいろあって忘れていた新しい水着のこと思い出した。
「……本当?」
一「あ…あぁ…朱鳥に合ってる。」
一の顔はさっきよりも少し赤くなっててかわいかった。
「……あは…ありがと!一!!」
ー海は恋を叶えてくれたー
END