イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第7章 夢現
小鳥のさえずりが聞こえる……。
顔に触れるひんやりとした空気に
ふかふかの布団が
なんだかとっても心地いい。
(もう朝?)
白みがかった部屋の中
うっすらと瞼を上げると
無防備に眠るユーリの顔が間近にあって、
一瞬息が止まった。
ゆっくり視線を下げてみると
(わっ…何も着てない……)
ユーリも、私も
一糸纏わぬ姿。
それも
ユーリは私を抱きしめるような格好で。
(そうだ、私、昨日ユーリと……)
頬の温度が上がり
心臓がトクトクとした音を速める。
(ずっと抱きしめてくれてたんだ)
恥ずかしい……
でも……心地いい
幸せな気分でユーリを見ると
すやすやと寝息を立てて
とても心地良さそう。
(寝てるところ、
初めて見ちゃった…///
こうやって見ると
なんて整った顔をしてるんだろう)
プラチナブロンドの髪が
とても柔らかそうで
吸い寄せられるように
指を絡める。
(…サラサラだ……)
「ん……サラ様?」
吐息交じりの声がして
(……起こしちゃったかなっ///)
勝手に髪に触れた事が恥ずかしくなって
パッと手を離したら
その手を
少し体温の低いユーリの手に
きゅっ…と摑まえられて
驚いて見ていたら
そのままゆっくりと
口元に引き寄せられて
ユーリの薄い唇が
私の人差指の先をぱくっと食んで
ちゅっと音を立てた。
少し気だるげで
妙に色っぽい。
一連の所作から
目を離す事が出来なくて
どきどきしていると
「ん……もう少しだけ……」
そう言って
私の項の下にあったユーリの腕が
私の肩を抱き寄せた。
ぽすんと
ユーリの胸に顔が埋もれる。
(むっ、胸板がっ…)
私の目の前に
ユーリの艶めかしい肌が見え
思わず身を引こうとするけれど
ユーリの腕に閉じ込められた私の身体は
ぴくりともしなくて。
頬を染めたままの顔で
伺うように見上げると
ユーリの長い睫は
伏せられたままで。
ああ、そっか…。
(昨日はきっと
私を助けるために
一日中、無理してくれたんだよね)
「ありがとう」
小さな声で囁いて
(どうかゆっくり眠ってね)
そう思いながら
ユーリの腕の中
ユーリの香りに包まれて
幸せな…とても幸せな
微睡みの中に堕ちて行った……