第3章 折り重なる再開
『…って事があってよ、マジで食われるかと思った』
「足癖が悪くて良かったな」
『みんなに同じ事言われるんだが…』
「足癖の悪さは自覚しているんだろう?」
『まぁな 直す気はねぇけど』
アギトがいた世界の様子や魔法、出会った人や世話になった人の話を聞いた。
そしてその世界に行って手に入れた力の事も。
今は三つ目の金属器、イフリートの迷宮攻略とやらで戦ったモンスターの話をしていた。
「にしても、あの時言ってた六年とはその事だったのか」
『おー、無駄に四年歳取って損した気分』
俺が二年間退屈だと思っていた中、アギトは六年間戦っていたんだな。
なんか…申し訳なくなってくる。
とは言え、
「それじゃあ、」
俺だって寂しかった事に代わりはないんだ。
「お前がいなかった分、甘えさせてもらうぞ」
『ん?』
俺はアギトの隣に座って凭れかかった。
『もう酔ったのか?』
「んなワケねぇだろ」
『可愛い事するからつい』
こーゆー事は普通恋人とかにするのだろうが、アギトは例の過去がある為に女を恋愛対象に見た事がない。
つまり女とこーゆー事をした事がないので、俺達がこーやって寄り添う事が当たり前に認識してしまっている。
抜けていると言うか…少し世間知らずなところですら愛おしい。