第3章 折り重なる再開
「それじゃあみんなー!
妖精の尻尾の勝利とアギトの帰還を祝って…」
「「「「「かんぱーーーーーいっ!!」」」」」
ミラの掛け声に応えるようにみんなが大きな声で叫んだ。
酒が入ったジョッキを上げながらな。
んなに振り回したら零れるぞー。
てか…
『何か恥ずいんだけど』
「おらアギトも飲みなよ~ アンタの宴会なんだからさ!」
「そうそう、貴方が主役なのよ」
カナは自分の大樽を持って、ミラは俺のジョッキを持って来たのでありがたく頂いた。
事態が一段落して俺に質問攻めの波が押し寄せた事により、俺は異世界に飛ばされた事を話した。
そしたらすんなり信じてくれた。
何でかと思ったら「二年にしては成長し過ぎてると思った」らしい。
何はともあれ信じてくれて良かった。
『サンキュ にしても騒ぎ過ぎじゃね?
ギルドの建設はしなくていいのか?』
ファントムとの戦いでギルドが壊された為、仮設の建物で宴会してるんだよ。
飲み屋だと…予想つくだろ?
絶対酔った連中が建物を壊しまくるからな。
「俺の言った通りだろうがぁあああ!!」
「「「ぶふぁ!」」」
あー早速暴れてるじゃん、ナツが。
「アギトは死んでねぇって言ったじゃねぇかバカ野郎!」
そうそう、俺が生きてるって最後まで信じてくれたのはナツなんだってな。
まぁあの現場を見たら死んだって思うだろうな。
だってナルガクルガの死骸と血まみれの現場だぜ?
死んだかもって思うのは仕方ねぇだろ。
だけどナツはそれが気に入らなかったらしく暴れ倒していた。
お前怪我が治ったばっかなんだからよぉ…ま、それがナツだもんな。
それにナツがずっと心配してくれていたって事がわかるので嬉しくないワケではない。
だから見守る事にした。