第3章 折り重なる再開
<アギトside>
あの世界に来た時と違って、ちゃんと地面に着地出来た。
『……』
懐かしい匂いに懐かしい光景。
そして満ち溢れる魔力。
『…本当に…帰って来たんだな』
「信じられないか?」
『半分以上諦めてたからな』
だけど体全体で感じるんだ。
解放感があって馴染みのある世界ってカンジがな。
やっぱり俺の居場所はこの世界なんだなって思えてくるよ。
『ありがとなジェラール!』
「私は迷子の友人を連れ戻しに来ただけだ」
『迷子言うなよー 迷子だけど…』
「ふふっ、どっちなんだ」
『さぁ?』
こんなバカ笑い出来るのも本当に久し振りだよな。
ギルドのみんなはどうしてるだろうなー。
「しかし二年間も行方不明だった妖精の尻尾最恐の魔導士が帰ったとなると、大騒ぎになるだろうな」
『…ん?』
何か聞き逃せない数字を聞いてしまった様な…。
『な、なぁジェラール…今何年って言った?』
「二年間だが」
『六年間の間違いじゃねぇの?』
「六年!? 君はあの世界に六年もいたのか!?」
『そうだけど…』
じゃあ俺無駄に四年歳取ったのか!?
いやわかるよ、俺年齢不詳なのはわかってるよ。
だけど…だけどよぉ…。
『俺も歳取ったなぁ…』
「そんな事言う年齢ではないだろうに」
『気分の問題だよ…』
四年って地味に大きいよな。
あの世界とアースランドの流れる時間は違うのか…。