第5章 此に病める者あり
氷の礫が、屍(グール)の両手に突き刺さり、動きの自由を封じる。
勝呂君
「“我等は、その証の真なるを知る”」
屍
「ギシイイイ゙イ゙イ゙イ゙」
ガッ
僕
「うッ‼︎」
屍が、暴れる様に腕を振り回し、僕の頭を叩いた。
三輪君
「玻璃さん!」
顳顬(こめかみ)擦った…ゲ、出血!
碧
「アル、氷当てといて」
屍の魔障…ジリジリと焼け付くような痛みが走る。
その時、部屋の照明が点灯した。
全
「!」
僕
「電気…‼︎もしかして、奥村君が…⁉︎」
勝呂君
「“我おもうに世界も…”」
屍の追撃が、僕に迫る。