第29章 -送別会-
と、締めくくりたかったのだが、
帰り際、校門で桃井に呼び止められた。
「虹村さんっ!」
「あん?桃井か?どうした?」
「あの、これから時間ありますか?♪」
「…なんでだよ?」
怪しい…
桃井のこの顔はなんかあるな…
「一緒に行ってほしい所があるんです♪
ほら、行きましょ♪」
「おいっ!桃井っ⁉︎」
まだ行くと返事もしていないのに、
半ば強引に桃井に連れてこられたのは、
駅前のマジバだった。
「お待たせ〜♪連れてきたよー♪」
「さつき、おせーぞっ。
あ、お疲れっす。」
「「「「お疲れさまですっ!」」」」
なんでこいつら全員いるんだ?
桃井に連れられて行ったマジバには、
赤司に青峰、緑間、黄瀬、黒子がいた。
つか…
「赤司っ⁈お前……」
「なんですか?」
「いや…」
赤司がマジバ…
なんか似合わねーーっ‼︎
なんかこの席だけ空気違うだろ…
目の前の赤司に驚愕していると、
桃井が入口のほうに手を振っている。
「あ、こっちでーす!こっちこっち♪」
他にもまだ誰か来るのか?
「さつきちゃん♪あれ?みんなも…
……修造っ⁈」
「ひかりっ⁈お前、なんで…?」
桃井が手を振って呼んでいたのは、
ひかりだった。
学校帰りなので、ひかりは制服だ。
制服姿のひかりを見るのは久しぶりだった。
「(2人とも普段と呼び方違う〜♪♪
虹村さん、雰囲気違う〜♪♪)」
「なんだよ、桃井…」
桃井が意味ありげな視線で、
こちらを見てニヤニヤしているので、
思わずジッと睨むと、
桃井はパッと視線を逸らし、
桃井が答える前にひかりが口を開いた。
「さつきちゃんが送別会兼ねて
2人でマジバで会いたい…って。」
そういうことか。
オレはなんとなくわかった。