第12章 振り向かせるから【及川 徹】
「何とか言えよっ!!!!」
拳が振り上げられ、私に落ちてくる
ぎゅっと目をつぶったけど、痛みがなかった
そっと目を開けるとそこには、
振り上げられた拳を止めて私の前に立つ
及川先輩の姿
女子
「おっ、及川先輩!!///」
及川
「何してるの?こんな多人数で1人に向かって」
女子
「あ、遊んでいたんですっ!」
及川
「へぇ~、遊びに拳を振り上げるの?」ニコッ
女子
「(ヒッ!)」
「こっ!こいつが悪いんですよ!!
何も思ってないとか言ってるくせに及川先輩に近づくからぁあ!」(ピュー
走っていってしまった
及川
「大丈夫?立てる??」
心配そうに顔を覗き込み、手を差し伸べてくれる
葵
「はい」
服も体もズタボロで、ところどころにあざが出来ていた
及川
「なんで黙ってたの?」
葵
「心配かけると、迷惑になるかと思いましてーーーーーギュッーーーーー
!!!」
及川
「俺は迷惑なんかじゃない
それに、葵ちゃんの事を何もわかってなかったあの子達が悪いんだからーー」
優しく、そう言ってくれた
自然に涙が出る
及川先輩は、優しく背中をさすってくれた