第38章 *ハイキュークエスト*
大王、オイカワのお城についた
久々に見るその風貌を、私はまじまじと仰ぎ見ていた
こんなにも大きかっただろうか?
そういえば、さらわれた時も逃げ出した時も、ちゃんとお城を見ていなかった
ヒナタ
「葵いくぞ!」
葵
「あ、うん」
前方のヒナタに目を配ってからもう一度その城を見た
すると、手に温もりを感じた
びっくりして、手に目を落とすときゅっと繋がれた左手
その繋いだ手の持ち主は、ケンマだった
ケンマ
「行こ……
…………大丈夫 怖くないよ」
どうやら、心配させたみたい
葵
「うん
大丈夫 ケンマがいるもん」
ケンマは深くフードをかぶり直した
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葵
「その階段を登れば大王のいる大部屋だよ」
ヒナタ
「よっし!
いざ大王様とけっちゃk「おっと ここは通さねえぜ?」
階段前に現れたのは、クロだった
葵
「クロ………」
クロもローブを持っていた
対戦した時、やっぱり私達はまだ敵いそうになかった
だけど、途中クロが消えていった
ローブを置いて――
忘れていったなんて到底思えなかった
葵
「クロ!!
やめようよ!こんなことっ」
ケンマ
「まだそんなことやってんの?」
クロ
「うるせぇ
やりたくてやってんじゃねぇんだよ」
ヒナタ
「おい!通せっ
トサカヘッド!!
ひっ 通してくださいこのヤロー!!」
イワイズミ
「どける気がねぇなら、戦うしかねーな」
葵
「………」