第38章 *ハイキュークエスト*
カゲヤマ
「でも、誰がこの人運ぶんですか?
アオネさんはイワイズミさん背負ってますし」
ケンマ
「いっそ……
イワイズミさん置いてこうか……」
ヒナタ
「そんなのダメだよ!
今はもう仲間なんだからさ!」
カゲヤマ
「はあっ!?
お前、会って5分もしてないコイツも仲間だっていうのか!?」
ヒナタ
「ケンマの友達だし、当たり前だろっ
お前は思わないのかよ!」
カゲヤマ
「っ………」
2人とも、城の内部事情には詳しい
カゲヤマにとって、仲間意識より情報源という意識が強いように思われた
そんな3人のやり取りを見ていたアオネが、隊列を離れてイワイズミを背負ったまま背の高い草むらへ入っていった
数分後、手に小さな花を持ってアオネが戻ってきた
アオネ
「………」
そっとその花をヒナタに渡す
ケンマ
「これ、薬草だ……
死んだ人も生き返るっていうレアなやつ」
横からその花をのぞいたケンマが説明した
アオネが持っていた道具で器用に薬草をすりつぶし、薬を作った
カゲヤマ
「アオネさんって……
回復系だったんですね」
アオネは恥ずかしそうに頷いた
アオネの作った薬をイワイズミに飲ませる
すると、イワイズミはゆっくり目を開けた
イワイズミ
「あー、なんか燃えるゴミになって捨てられる夢見てたぜ………
ん?誰だ?この女」
ヒナタ
「生き返ったー!!」
イワイズミ
「うわ、なんだよ、泣くなよ!」
飛びつくヒナタを抑えるイワイズミの横でケンマが説明する
そんな光景を見て、アオネは満足気にうなずいた