第38章 *ハイキュークエスト*
この地に、人心を操る大王が君臨するようになって幾星霜
人々は大王が気まぐれで流布させる風説に怯え、言葉の裏を読み合い、希望も笑顔も失って生きていた………
ここは大王及川の城
贅を尽くした部屋の豪奢な玉座で、大王は鼻歌を歌っていた
及川
「フンフフーン♬♬」
葵
「上機嫌ですか」
及川
「上機嫌です!」
ニコニコとやけにテンションの高そうな及川の顔
見ていてイラッとした
葵
「…………ここから出してくださいよ」
及川
「えー、だって捕まえたばかりじゃん?
そう簡単にリリースしないよ」
水晶に閉じ込められた私を満足そうに見てくる
及川
「ちゃんと可愛がってあげるから」
葵
「キモいです。」
及川
「ひどいです」
私が捕まったのは、1時間前にさかのぼる