第34章 偏西風【影山 飛雄】R指定あり
俺が中学2年の時………
さわさわと心地の良い風を顔に受けながら、ボーッと外を眺めてた
カーテンが目の前で揺れる
朝だというのに、この暖かさを感じて改めて初夏だなと思った
バサッという音と一緒に、カーテンが引き際に俺の顔を叩いた
影山
「うおっ」
びっくりして、小さく声を漏らした
影山
(?? …………誰だ?)
見ると、教壇に1人の知らない女子が立っていた
担任の話なんか、当然聞いてない
前に座る国見に聞いてみた
影山
「あいつ、誰だ?」
国見
「影山、担任の話は聞けよ
金田一」
金田一
「お前も聞いてないのかよ
転校生だってよ」
俺の斜め右前の席の金田一が説明する
どこからかは忘れたらしいが、とりあえず関西地方から来たのは確からしい
国見
「こんな時期に転校生って、珍し」
金田一
「親が転勤するかららしいぞ」
担任
「そこ3人っ!
今から自己紹介してもらうから、ちゃんと聞け!!」
俺まで怒られたじゃねーかっ
??
「え、えと………
津田 葵……です
よ、よろしく……」
クラスからパチパチと拍手があがる
担任
「じゃあ、席はあそこだから」
津田
「あ、はい」
スタスタと、こっちに歩いてきた
そして、俺の横の席に座った
横なのか……
担任
「影山ー、津田さん教科書ないから見せてやれよー
あと、隣だから助けてやれよ」
そう言って、担任はホームルームをしめて、教室を出て行った
影山
(まじかよ………)