第3章 1夏の思い出【黒尾 鉄朗】
突然の事だった
30分前ーー
父の転勤で、宮城に1週間後引っ越すことになった
父だけ単身赴任すればいいのに、母は『家族は一緒にいるべきだ』なんて言うからーーー
あまりの急な出来事に、私はかなりのショックを受けた
葵
「やだよ!!引っ越しなんて!!!
私、ずっとここに居たい!」
母
「ダメよ 決まったことなんだから
おとなしく、引っ越す準備しなさい」
葵
「っ!…勝手だよ…
勝手すぎるよ!!!
私、引っ越さないからっ!!!!!」
ーーーーーバンッーーーーー
思い切りドアを開けて外へ飛び出した
遠くの方で母が呼ぶ声が聞こえたけど、お構いなしに走っていった
眼からは涙が溢れ、頬を滴り落ちていく
どこへ行くというあてもなく、ただひたすら走っていた
夕陽が
キレイだった