第22章 支え【茂庭 要】
帰ってきて、私は屋上で1人泣いた
悲しかった
あんなにも練習したのにっ………
葵
「ひっく…………どうして…
がんばって……きたのに……!!!」
茂庭
「仕方がないんだよ
勝負に勝ち負けは絶対なんだから」
後ろから声がして、思わず顔を隠す
茂庭
「泣いてたの?」
葵
「泣いてなんか……ないれす」
茂庭
「声、湿ってるよ?」
葵
「ほっといてくらさい!」ズビッ
茂庭
「無理、彼女が泣いてるのにほっとけない」
葵
「どうしても………引退するんですか?」
茂庭
「……うん」
葵
「わたし、イヤです
そんな、の……………
別に、もう先輩が来なくてイヤとか思ってませんよ……」
震える肩を、先輩が優しく抱いてくれる
茂庭
「ホントはイヤって思ってるんだろ?」
葵
「べ、別に…///
先輩、震えてますよ」
茂庭
「こっち見るな!!////」
葵
「泣いてるじゃないですか、男なのに」
茂庭
「泣くよ!男でも!!
ありがとな、今まで支えてくれて」