第19章 rainy day【黒尾 鉄朗】
家が近所で、何というか、幼なじみというか………
小学生の頃に私が、東京に越してきてからの付き合いだ
幼なじみとは言い難い
昔はよく喋ってたけど、クラスとか離れてしまって喋らなくなっていた
それに、クロは部活で忙しそうだし
喋る機会がない
黒尾
「お、葵じゃん」
葵
「う、うん。」
久しぶりに話しかけられ、喋るから変に緊張する
黒尾
「お前も傘持ってねーの?」
葵
「そう……だよ」
絶対、今の無愛想だ………
黒尾
「なんつーか、話すの久しぶりだよな」
葵
「うん、そうだね」
黒尾
「お前、俺の事キライになった?」
(ドギっ)
そんなこと、ない
好きで、仕方ないくらいなんだ…………
葵
「違うよっ」
黒尾
「でも、お前
俺の目見て話してくれないじゃん」
ばっとクロを見る
クロの顔は、少し寂しげで
その瞳が私を見ていた
葵
「ご、ごめん
でも、キライになんかなってないよ
雨でちょっと……んー、まあ感情に浸っていただけ!」ニコッ
なんつー嘘
咄嗟とはいえ、ひどいなww
黒尾
「そうか」ニッ
途端にクロの顔が明るくなる
ーーーーーどきんーーーーー
胸が跳ねた