第6章 第二章「一目惚れ」谷地side
入学式がやっと終了し、あとは帰るだけだった。
(あの女の子どこだろう?)
キョロキョロと周りを見渡せば、今の子にしては珍しい綺麗な黒髪を発見した。
(っ!…………いた!)
谷地「あの、さっきのハンカチ!」
「あぁ、気にしないで。 捨てといていいから。」
谷地「でも!」
「いいから……ね?」
ハンカチを貸してくれたときと同じようにニコッと女の子が笑うと、周りに花が咲いたように感じた。
谷地「せめて名前を!!! 教えてください。」
「海音寺 朔良……」
谷地「海音寺 朔良さん………」
「じゃあ。」
谷地「かっこいい人だったな……」