第7章 幼馴染みver伊月俊×橘雪
そんなある日、珍しく俊からデートの誘いがあった。
「なぁ、雪。明日、空いてるか?」
「え?うん、空いてるけど・・・どうしたの?」
「明日は部活も休みだし、たまにはデートとか・・・どうかなって?」
「え、いいの?」
「あ、ほら、付き合ってから恋人らしいこと、何一つできてないだろ?」
「そんなこと考えてくれてたの?」
「っ、まあ、そりゃな・・・」
俊は恐らく緊張しているのだろう。
珍しく繋いだ手が震えていた。
それに何より、駄洒落が何一つ出てこない。
「ふふっ、ありがとう俊、嬉しい」
私が頬をほんのり赤く染めてそう伝えると俊は照れ臭そうに頬をかき「どういたしまして」といった。