第2章 入部
部活見学に行ってくると言ったものの
第2体育館の場所が分かりません(泣)
どうしたらいいんでしょう・・・。
と、言うことで今廊下に突っ立ってます。
誰か、誰か連れてってください。
泣きそう。
5分ほど待っていると誰かが話しかけてくれました。
「どうしたの?・・・って夏妃ちゃん?」
ん?私のこと知ってるのって・・・
ふと顔を上げると
「孝支くん!!」
あまりにも嬉しかったので抱きついちゃいました。ああ、周りに人は居なかったので救われましたがね。
「ちょ、どうしたの?廊下なんかに突っ立って。」
「え、えーっと・・・そのーですねー。」
ここにいる時点でなんとなく分かってくれてはいたんだろうけど、脂汗かいて目を逸らしたら決定的な証拠を与えてしまった。
「あはは、何、第2体育館の場所が分からなかったんでしょ!いいよ、いいよ、連れてってやるよ!じゃあ、行こ!」
連れてこられた体育館はなんと自分の教室の窓から見える体育館。
「こ、こんなに近かったの。学校始まって1週間と数日ずっと窓越しに大きいなぁって思ってた体育館がまさかこれから行こうとしてた体育館だなんて、なんか辛い。」
「仕方ないよ、そこまで意識してなかったんでしょ。誰だって失敗とか勘違いだってあるんだし。」
「ぅ、うん。でもこれは失敗とか勘違いじゃないよね。ただの馬鹿だよ。」
「そんなことないって、あ、扉開けるよ、いい?」
「うん。」
私の返答を聞くと笑顔で大きな扉を開けて中にいる先輩方に「ちわーす」と挨拶をした。
その後ろに隠れながらついていく私。
「ちわーす」と先輩が返すと、キャプテンっぽい大きな先輩が私に気付いた。
「君、名前は?」
「生野夏妃です。部活を見学しに来ました。・・・見学してもいいですか?」
「・・・いいぞ。バレー好きなのか?」
それをいうと大きな先輩は他の部員に練習始めろ!と言って私の横に並んだ。
「バレーやったことないけど好きです。」
「やったことないのか。」
「はい。私、体弱くて運動ができないんです。・・・でも本当は、本当はやりたいなって・・・」
「へぇ、ボール触ったことは?」
「?ないです・・・けど?」
「じゃあ、触りたいか?」
「えっ?そりゃあ、好きだから、一度は触ってみたいです。」