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やっぱり五条悟から逃げたいので呪詛師目指します



141

その笑顔に仁美はまた涙が出る。


「……知ってたの?」


そう顔を歪ませて泣いている仁美を、悟は抱き締めた。


142

「仁美が自分の体に鈍感過ぎるんだよ。
知ってた?もう心臓あるよ?音がする。」


そんなの聞こえるの、悟だけだろう。


「…何で…言ってくれなかったの?」

143

何で悟が仁美の仕事をしていたのか。


何で飲み会でお酒を飲ませてくれなかったのか。


もうずっと前から、悟は分かっていたんだ。


仁美はぎゅっと悟に抱き付いた。


144

「… 仁美、僕は…。」


あの日の朝、寝ている仁美を見下ろして、仁美のお腹に命があるって分かった時。


あの時の衝撃は一生忘れない。


145

全身を稲妻で貫かれて、なお足りない衝撃の後に。


正直、純潔、無垢、敬愛


イエスキリストが愛を問うた様に。


それ以上の心を揺さぶる感情。


愛しさだけでは足りずに、自分の命すら捧げられる。

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そんな衝撃を生まれて初めて知った。


「…あの時の衝撃を、君自身に知って貰いたかったんだ。
僕の言葉じゃなくて…。」


悟の言葉に嗚咽が出る。


「うっゔゔっ…。」


涙が止まらなくて。

147

でもそれは……とても尊い気持ちだった。


「で?どうだった?」

「……凄く幸せだった。」


20年間回帰を続けて、それでも諦めずに生きてこれたのは。


この瞬間の為だったのかもしれない。


148

「悟…愛してる。」


「うん…僕も愛しているよ。」


2人はキスをしながら愛おしそうにその体に触れる。


149

悟はそっと仁美のお腹に触る。


暖かくて、ずっと触っていたい。


悟にしかまだ聞こえないであろう心音。


150

僕と仁美の愛の全て。


悟はある事に気がつくと、ニヤッと笑った。


(何だ…男の子か…。)


悟以外なら絶対に許されない仁美の体内。


それを許された特別な存在。


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