第3章 いざ、神世界へ
「さあ、着いたよ。」
「この中にアレック様が…?」
目の前には、少し小さめの宮殿のような建物がある。
中へ入ると、歴史の教科書に載っているような、古代ギリシャ人の格好をした白人の男性が座っていて、その隣には空と同じような格好良い男性が立っている。
「ようこそ神世界へ。あなたが来るのを心待ちにしていました。空から話を聞いていると思いますが、私がアレックです。」
空から聞いた話では、フランス人だったって言ってたような…
アレック様はこういう格好に憧れていたのかな…
麗奈はそんなことを考えながらも、その場の光景に圧倒され、何を言っていいのか分からないでいた。
そうしていると、空が話をし始めた。
「お久しぶりですアレック様、変わらずお元気そうで安心しました。」
「あぁ、おかえり。空が元気そうで私も嬉しいよ。それに、麗奈にもこうやって会うことが出来た。本当にありがとう。」
空って偉い人なんだ…
麗奈がそんなことを思っていると、アレックに話しかけられた。
「急にこんなことになってしまい申し訳ない…だが、私もそうだった。慣れてもらうためにもゆっくりして行ってもらいたいのだが、地上での生活のこともあるでしょう。日付が変わるまでには帰ってくださいね。」
「あ、はい…」
「少し麗奈と話がしたいので、二人にしてもらえるかな。」
アレックがそう言うと、アレックの横に立っていた天使が「わかりました」と言ってスッと姿を消し、
空も「宮殿の外で待ってるからね」と言い、消えてしまった。
少し広めの、しんと静まり返る部屋で、麗奈はアレックと二人きりになった。