第1章 夢の夢だから夢のまま
甘い声が室内に響く。
こんなに大きな声を出していて、外には聞こえてないのだろうか。
あまり通常に回っていない頭で、は必死に考えた。
なんで私はこんなことされてるんだろう。
はやく、巨人を、駆逐、しないと。
不意に声がかかる。
「…おい、よ。てめえまさかこの状況に及んでまだ巨人のことを考えてるのか」
なんでわかるんだ。
なんなんだ。
一体。
だいたいこんなの、こんなこと、兵長がするわけ…、
「…反抗的な目だな」
そう口を開いた兵長は私の身体をまさぐっていた手を止め、ベットから降りた。
その際、ぎしり、となるスプリングの音がやけに耳につく。