第2章 本能寺
声の方に向くと、また一人男が近づいてきた。
「信長様、よくぞご無事で!!」
「‥‥三成?貴様、なぜここにいる?秀吉はどうした」
「秀吉様の命令で参りました。秀吉様もこちらに向かわれています」
燃える本能寺を横目に、三成と呼ばれる男が眉をひそめた。
「信長様のお命が狙われているとの情報が入ったのですが‥本当だったようですね。敵は少数だったらしく、配下の者に寺を探させましたがすでに逃げた後でした。こちらの女性達は?ご一緒に本能寺から出ていらっしゃるのが見えましたが‥」
「美桜、琴葉、俺の配下の者に挨拶しろ」
織田信長が三成さんを顎で指し示す。
「(かなり偉そうね、逆らうとまた面倒なことになりそう、、)」
琴葉も漸く事態を把握したのか、顔色がさっきよりもマシになった、でも、緊張のせいか上手く話せなさそうね。
「はじめまして、美桜です。こちらは友人の琴葉です」
「美桜様と琴葉様ですね。お2人はご友人同士なのですね。私は石田三成と申します。信長様の右腕である秀吉様の元で、側近を務めている者です」
「(『石田三成』、また有名な武将が出てきた。優しそうね)」
「何者かは俺も知らんが、この女達が刺客に気づき、寝ていた俺を起こし外へ連れ出したのだ」
「そうでしたか‥!御館様の命を救っていただき、ありがとうございました」
「いえいえ、」
「ところで、お2人はなぜ本能寺に?尼には見えませんし、変わった服装をなさっていますが、どこの国のお方でしょう?」
信じてもらえるかはわからないけど、言ってみるか。
「実は‥私たちは、この時代の人間ではありません」