第2章 本能寺
「琴葉、私たちさっきまで外にいたはずよね?」
「うん、いた。なのに何でお寺の中?それも火の中?!」
そう、私たち2人は久しぶりに京都旅行をしていた。本能寺跡地に着いた途端、嵐が来て気づいたらここにいた。
そういえば、落雷で目を瞑る前、白衣を着た男の人がいたような‥
とにかく、今はそんなことを考えている場合じゃない。早く安全な場所まで避難しないと。
「ねえ、美桜、あそこに人が、、」
琴葉が指差した方を見ると柱に座っている人が一人、そして刀のようなものを持って襲いかかろうとしている人が一人いた。
瞬時に状況を把握し、刃物を持って立っている男に自分の身体を一回転させて蹴りを入れた。
「ぐっっ、、」
蹴りが相手に当たった衝撃で刃物が落ち、手に届かないよう遠くへ蹴った。
「ん、何だ貴様らは」
「大丈夫ですか?!とにかく襲われています!逃げましょう!」
座っていた男もまた状況を理解したのか、琴葉に手を強引に引っ張られて走り出した。
琴葉と男、そして私で何とか炎の中、脱出することができた。